指揮 ブリュッヘン 録音 2005年

<CD 417>

指揮 フランス・ブリュッヘン
演奏 18世紀オーケストラ
録音 2005年8月 ライブ

フランス・ブリュッヘン
1934年~2014年
オランダ アムステルダム生 リコーダーの名手として活躍したが、1981年に18世紀オーケストラを設立し、指揮者として演奏活動を続けている。
レパートリーはバロックから前期ロマン派までである。

18世紀オーケストラ
 18世紀オーケストラはブリュッヘンにより設立された楽団で、オランダのアムステルダムを拠点に活動している。
楽器はすべて古楽器を用いている。
団員は16名に過ぎない。
日本人らしき名前、Natsumi Wakamatsu(1st Violin)とYoshiko Morita(2nd Violin)2名がある。
 
第1楽章 18'17"
第2楽章 12'44"
第3楽章   5'38"
第4楽章 11'49"
 合計   48'28"

 第1楽章は折り目正しく、格調の高い演奏である。
しかも中盤以降は骨太で激しい演奏である。
 第2楽章は過剰な演出はなく、淡々とした出だしであるが、格調が高く奥行きのある演奏である。
中盤以降は目を見張るような深みのある厳しい演奏で、地の底から悲しみの叫びが聞こえてくるかのようだ。
 第3楽章は快速なテンポで、はつらつとしていて、かつシャープな演奏である。
 第4楽章は立体感、躍動感にあふれ、彫りの深い演奏である。

 今年、惜しくも亡くなられたブリュッヘンの追悼盤とも言えるCDを入手した。
ショパン協会によるもので、ワルシャワにおけるライブである。
ブリュッヘンらしい彫りの深いしっかりとした構成で、厳しさもある演奏である。
 18世紀オーケストラは通常の約1/4のわずか16名で構成されているが、小編成とは思えない豊かでしっかりとした音は見事である。
 2014年はクラシック界の巨匠が多く世を去った年であった。
1月にアバド、6月にデ・ブルゴス、7月にマゼール、8月にブリュッヘン、9月にホグウッドが亡くなられた。
これらの巨匠達が名演奏を多く残されたことに感謝しつつ、ご冥福をお祈りする。

CD417,Frans Brüggen,18th Century Orchestra,2005/8,Live Recording

2005

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指揮 アバド 録音 2013年

<CD 412>

指揮 クラウディオ・アバド
演奏 ルツェルン祝祭管弦楽団
録音 2013年8月 ライブ

クラウディオ・アバド 1933年~2014年
 イタリア ミラノ生、イタリア人の指揮者。
60年に指揮者としてデビュー、ミラノ スカラ座、ロンドン交響楽団、シカゴ交響楽団、ウイーン国立歌劇場の音楽監督などの後、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団の主席指揮者を務めた。

ルツェルン祝祭管弦楽団
 ルツェルン音楽祭のレジデントオーケストラであるが、ベルリンフィルの団員、一流ソリスト、一流弦楽四重奏団などのメンバーで構成される。
 
第1楽章 18'19"
第2楽章 17'33"
第3楽章   6'24"
第4楽章 12'31"
 合計   54'41"

 第1楽章はゆったりとしたテンポだが、リズムに躍動感がある。
音のレンジ幅は大きくなく、力感あふれる演奏ではないが、立体感がある。
中盤からは流麗さも加わる。
ゴツゴツ感がなく流麗さから、ベートーヴェンではなくメンデルスゾーンを聴いているようにさえ感じる。
 第2楽章もゆったりしたテンポで、流麗で美しい演奏だ。
中盤以降も強音は幾分セーブされていて、決して叩き付けるような音ではない。
音のレンジ幅は大きくないものの、曲の大きさや立体感、陰影がそがれることはない。
 第3楽章は軽快で流麗な演奏だが、後半は締まった演奏となる。
第4楽章も音のレンジ幅は抑え気味だが、テンポとリズムが素晴らしく、流麗さに弾力さが加わり、この楽章のもつ躍動感が十分に表現されている。

 アバドは力に頼らずに立派な演奏ができることを示している。
それにしても、この演奏が彼が亡くなるわずか5カ月前に行われたことが信じられない。

CD412,Claudio Abbado,Lucerne Festival Orchestra,2013/08,Live Recording

Abbado2013  

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指揮 アーベントロート 録音 1953年

 

諸事情により、しばらく更新をさぼっていましたが、再開します。

<CD 410>

指揮 ヘルマン・アーベントロート

演奏 ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団
録音 1953年9月 ライブ

 
ヘルマン アーベントロート
 
1883~1956
ドイツ フランクフルト生
 旧東ドイツで、重鎮として活躍した指揮者。
1905年から指揮活動を開始し、ケルンやボン、ライプチッヒで活躍した。
雄弁な表現をする指揮者とされている。

 
ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団
1901年に設立されたオーケストラ。
戦時中に多くの楽員を失うが1945年に再建された。
ショパン国際ピアノコンクールでオーケストラを務めることで知られている。
第2次大戦で演奏会場を焼かれ、楽団員の大半を失う痛手を受けた。
戦後、ロヴィッキが指揮者として24年間君臨し、オーケストラを復興させた。
その後コルトが22年間にわたりこのオーケストラをまとめ上げた。

第1楽章 14'03"
第2楽章 14'53"
第3楽章   5'25"
第4楽章 11'12"
 合計   46'33"

 第1楽章は、やや速いテンポで、リズムがはっきりしていて、きびきびとした楷書の演奏だ。
落ち着いた演奏だが、全体的に地味でやや渋い印象だ。
 第2楽章は出だしはやや控えめで、あえて過剰な演出を避け、情緒を抑制しているかのようだ。
 中盤以降は熱い演奏になって行くが、節度は保たれている。
テンポは変動がなく、とても安定している。
 第3楽章は軽快なテンポで、音にメリハリがあり、躍動感を感じる演奏だ。
 第4楽章は動と静の切り替えが見事で、キレのある雄弁な演奏である。

 
アーベントロートのエロイカは1954年のベルリン放送交響楽団のものを紹介済みであるが、それはとても雄弁な演奏であった。
本演奏は前半は抑制気味で、後半にボルテージが上がる後半型であるように感じた。
第3楽章、第4楽章は持ち前の雄弁な表現がなされている。
 ワルシャワフィルも緊密なアンサンブルで健闘しているが、やや音に厚みが足りないようだ。
ただし、これは当時の録音技術の問題なのかも知れない。


CD410 Harmann Abendroth,
Varsovia Philharmonic Orchestra;Sept 1953; Live

 

Abendroth1953

 

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指揮 ロヴィツキ 録音 1960年?

<CD 394>

指揮 ヴィトルド・ロヴィツキ
演奏 ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団
録音 1960-67年 ライブ録音

ヴィトルド・ロヴィツキ 1914~1989

ポーランド人の指揮者。
ポーランドで音楽を学び、戦時中にドイツで音楽活動をする。
戦後、祖国ポーランドに戻り、1945年にポーランド放送交響楽団を創設し、指揮者となる。
50~55年、58年から77年まで国立ワルシャワフィルハーモニー管弦楽団を指揮、その後82年から85年までバンベルク交響楽団の指揮者を務めた。
ポーランドでは中心的な指揮者の一人だった。

ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団

1901年に設立されたオーケストラ。
戦時中に多くの楽員を失うが1945年に再建された。
ショパン国際ピアノコンクールでオーケストラを務めることで知られている。
第2次大戦で演奏会場を焼かれ、楽団員の大半を失う痛手を受けた。
戦後、ロヴィッキが指揮者として24年間君臨し、オーケストラを復興させた。
その後コルトが22年間にわたりこのオーケストラをまとめ上げた。

第1楽章 15'35"
第2楽章 17'02"
第3楽章   6'20"
第4楽章 13'18"
 合計   52'15"

 第1楽章はほど良いテンポで、力強く、まとまりのあり、とても熱い演奏である。
何より、指揮者とオーケストラの一体感があるのがよい。
 第2楽章はとてもゆったりしたペースで始まる。
やや暗い重厚な音色とも相俟って、情緒たっぷりの演奏である。
中盤は力強く堂々たる演奏だ。
終盤はまた熱い演奏となり、スケール感も十分である。
 第3楽章も力強く、熱い演奏である。
 第4楽章も力強く、熱く、はつらつとした演奏が続く。
この楽章も指揮者とオーケストラが一体となっているのを感じる。

 これはとても熱い演奏である。
そしてオーケストラを知り尽くした指揮者が、オーケストラと一体となってはつらつとした演奏を展開している。
ロヴィツキの指揮はテンポや音量を変化させることなく、あくまでオーソドックスである。
なお、この録音は1960年から1967年のコンサートにおけるライブ録音であり、正確な録音年は不明であることをお断りしておく。

CD 394 Witold Rowici,Varsovia Philharmonic Orchestra;1960-1967

Rowicki1960

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指揮 ベイヌム 録音 1957年

<CD 393>

指揮 エドゥアルト・ヴァン・ベイヌム
演奏 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音 1957年5月 ライブ録音

エドゥアルト・ヴァン・ベイヌム

1901~1959年
オランダ アンヘルム生
 オランダ人の指揮者。
音楽家の家に生まれ、子供の頃にコンセルトヘボウOの演奏を聴き指揮者を目指す。
1927年にハールレム交響楽団の指揮者、1931年にコンセルトヘボウ管弦楽団の指揮者となる。
1945年からコンセルトヘボウOの音楽監督となる。
ロンドンPO、ロスアンジェルスPOの音楽監督も兼任する。
1959年にリハーサル中に心臓病で倒れ亡くなる。

アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団は1888年に設立され、オランダのアムステルダムを本拠地とする名門楽団で、マーラーもしばしば指揮台に立った。
メンベルベルグが長く指揮者を務め名声を高めた。その後はベイヌム、ハイティンクなどが指揮者を務めた。
この録音当時はアムステルダム・コンセルトヘボウの楽団名だが、近年はロイヤル・コンセルトヘボウと称される。

第1楽章 14'37"
第2楽章 15'59"
第3楽章   5'39"
第4楽章 11'48"
 合計   48'03"
 
 第1楽章は前半は中庸のテンポでオーソドックスなスタイルの演奏だ。
中盤からはテンションが上がり、熱い演奏となる。
テンポは安定していて、リズムに切れがあり、音量は適度に変化を付けている。
 第2楽章は自然な演奏の中に一本芯が通っていて、しっかりした造形がつくられている。
中盤ではティンパニーの打ち方が独特である。
この楽章全体はしっかりとした骨太の演奏だ。
 第3楽章はやや速めのテンポで力強い演奏だ。
中盤のホルンの響きは柔らかく大らかだ。
 第4楽章はリズム、テンポ、音量に巧みに変化をつけ、この楽章の変幻でダイナミックな雰囲気をうまく演出している。
中盤は力強く、熱い演奏だ。
更にテンポと音量に大きなうねりを設けている。
フィナーレは壮大に終わる。

この演奏はモノラル録音で、オリジナル音源に起因する回転ムラ、録音レベルのふらつき、ヒスノイズがあり、録音状態は良くない。
しかし、それが歴史的録音であることを物語っているようだ。
オランダにはフィリップスという立派な電機メーカがあるので、もっと良い録音状態を期待していた。
演奏自体は個性的で熱いものなので、もっと良い状態で聴きたかった。
ベイヌムは有能な指揮者であったようなので、せめて少なくとも後10年は長く生きて活躍して欲しかった。

CD393 Eduard van Beinum,Concertogebouw O Amsterdam;1957/5

Beinum1957

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指揮 ラハバリ 録音 2009年

<CD 389>

指揮 アレクサンダー・ラハバリ
演奏 ベルギー放送交響楽団
録音 2009年2月

アレクサンダー・ラハバリ

 1948~
イラン人の指揮者、作曲家。

 イランで学んだ後、ウィーンに留学。
 帰国後、イランで活躍。
 1977年に再び渡欧。
1988年にベルギー放送交響楽団の音楽監督を務め、その後ザグレブPO、テヘラン交響楽団の音楽監督となる。

ベルギー放送交響楽団
 1935年にブリュッセル市と放送局の双方の協力により設立される。
ブーレーズ、マゼール、メータ、ラハバリなどが指揮台に立つ。

第1楽章 14'41"
第2楽章 16'16"
第3楽章   5'58"
第4楽章 12'18"
 合計   49'10"

 第1楽章は標準的なテンポで、安定した模範的とも言える楷書のような整った演奏である。
程良い力強さ、熱さ、勢いもある。
 第2楽章も標準的なテンポで安定した演奏が続く。
中盤以降の起伏もごく自然で、とても整った演奏と言える。
ただし、この楽章は、いつも共感し引き込まれるものが感じられるはずなのだが、この演奏ではそれがない。
演奏と聴き手の波長が微妙にずれていて、互いに共振しないようである。
 第3楽章も安定し、整った演奏だが、やや重く感じられる。
 第4楽章も標準的なテンポで、落ち着いた演奏だが、ややダイナミックさ(躍動感)が足りないようだ。

 ラハバリは個性を全面に出さず、テンポや音量を揺らすこともなく、標準的で楷書の演奏を心がけているようだ。
この曲は大きさ、大らかさ、烈しさ、美しさ、厳しさ、ダイナミックさなど多面的な要素をもっている。
指揮者はそれらを自ら表現して行くのだが、一方聴き手もこうあって欲しいという要求を出して行く。
それが一致したときはとても幸せな気分になるはずだが、この演奏ではそれらの波長が微妙にずれているようだ。
そのずれは何度聴いても修正できなかった。
ラハバリの演奏が悪いのではなく、私との波長が合わないだけで、彼の演奏が大いに受け入れられる聴き手も多いであろう。
音楽というのはこのように、まさに微妙で繊細なものであるのだろう。
 それと、彼はイラン人である。
これまで取り上げた演奏では指揮者はヨーロッパやアメリカ人が多かったが、ロシアや北欧、東欧、南欧、アフリカ、オーストラリア、中南米、東洋そして中東の出身者と世界各地の指揮者が登場し、クラシック音楽のグローバル性をあらためて認識できた。

CD389 Alexander Rahbari,BRT Philharmonic Orchestra Brussels;2009/02

Rahbari2009

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指揮 アントニーニ 録音 2006年

<CD 388>

指揮 ジョヴァンニ・アントニーニ
演奏 バーゼル室内管弦楽団
録音 2006年9月

ジョヴァンニ・アントニーニ

 1965~
イタリアのミラノ生、イタリア人の指揮者、リコーダー奏者。

 1985年にバロックアンサンブルのイル・ジャルディーノ・アルモニコを設立し、指揮者となる。
古楽器とピリオド奏法によるバロック音楽の指揮者として活躍する。
バーゼル室内管弦楽団へはしばしば客演指揮者として招かれる。
現代音楽も得意としており、レパートリーは広い。
客演指揮者としてベルリンフィルへも登場している。

バーゼル室内管弦楽団
 スイスのバーゼルに本拠地を置く室内楽団。
ただし、1926年に設立され1987年に解散した同名の楽団は別の団体である。
 1984年に若手演奏家達が集まって新たに設立された。
主席指揮者を置かず、ホグウッドが客演指揮者を長く勤めた。
その後はアントニーニなど多くの指揮者が客演した。
現代音楽も得意としている。
また、古楽器とモダン楽器を使い分ける特徴もある。

第1楽章 16'10"
第2楽章 14'00"
第3楽章   5'32"
第4楽章 11'54"
 合計   47'36"
 
 第1楽章は和音の強烈な音から始まる。
以後もやや過激とも思われるインパクトのある演奏が続く。
テンポが速く、リズムがはっきりしていて、強音も弱音も明瞭に聞こえる。
室内楽団の演奏だが、ピリオド奏法ではなく現代風の活き活きとした堂々たる演奏だ。
弦も管もよく鳴っていて、楽器は古楽器によるものではないかも知れない。
 第2楽章はテンポはやや速いが、とても情感が込められていて、旋律を美しく歌わせている。
思わず引き込まれてしまう。
中盤以降は力強いスケールの大きな演奏だ。
 第3楽章も速いテンポでリズミカルで、生気あふれる演奏だ。
 第4楽章は前半はややパワーをセーブ気味だが、中盤以降はパワー全開となる。
 
 全体を通して、とても勢いのある演奏だが、パワー優先ではなく音楽性を重視しているようだ。
弦も管も音をきちんと出しきっていて、きもちよい演奏だ。
このところ、中堅ながらも実力のある指揮者の演奏が続き、とても楽しい気分にさせられる。

CD388 Giovanni Antonini,kammer Orchestra Basel;2006/09

Antonini2006

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指揮 ライスキ 録音 2010

<CD 386>

指揮 ヴォイチェク・ライスキ
演奏 ポーランド室内フィルハーモニーオーケストラ
録音 2010年

ヴォイチェク・ライスキ 1948~

ポーランド ワルシャワ生、ポーランド人の指揮者
 ワルシャワ、ウィーン、ケルンで音楽を学ぶ。
1971年にワルシャワ歌劇場の音楽監督となる。
その後、ポズナンフィルハーモニー、ボン・ベートーベンホール管弦楽団の音楽監督を務める。
1980年にポーランド室内フィルハーモニーを創設する。
1993~2006年にポーランド放送交響楽団の音楽監督を務めた。

ポーランド室内フィルハーモニー管弦楽団

 力のある若手音楽家を集めて、1980年にライスキによって設立された室内楽団。
バロック、古典から現代音楽まで幅広いレパートリーをもつ。
 
第1楽章 15'55"
第2楽章 13'54"
第3楽章   4'54"
第4楽章 10'25"
 合計   45'08"

 第1楽章は快い速さで、音色は明るい。
ピリオド奏法的な演奏で、音の動きが速い。
リズムは荒々しく、烈しい演奏だ。
最新の録音技術を採用していることと相俟って、臨場感あふれる演奏だ。
 第2楽章は序盤からテンポは速い。
穏やかだが芯があり、辛口の演奏だ。
音の強弱、速度の緩急にかかわらず、どのパートも常にテンションがかかっている。
中盤以降はテンションはピークに達し、堅固で壮大な演奏である。
音量の強いパートと弱いパートのデシベル差は大きく、録音の良さも加わって、手に汗握る迫力がある。
 第3楽章も牧歌的な雰囲気より、力強さ、テンションの大きさが優勢である。
 第4楽章も最初からテンションの高い演奏が続く。
ハイテンションのまま、エネルギッシュに突っ走る大変密度の高い演奏だ。

 室内楽団の演奏だが、決してバロックやハイドン的な演奏スタイルではなく、独自の烈しさとテンションの高さをもった演奏だ。
楽団員は比較的若いそうで、若さのエネルギーが凝縮された演奏だ。
録音状態が大変良いので、オーディオファンには大いに受け入れられるだろう。

CD386 Wojciech Rajski Polish chamber Philharmonic Orchestra;2000

Rajski2010

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指揮 フリエンド 録音 2009年

<CD 376>

指揮 ヤン・ヴィレム・デ・フリエンド
演奏 ネザーランド交響楽団
録音 2009年5月

ヤン・ヴィレム・デ・フリエンド

1963年~ 

 オランダ生まれ、オランダ人の指揮者、ヴァイオリニスト。
ヴァイオリニストとして活躍の後、指揮に活動の重点を移す
1982年にコンバチメント・コンソート・アムステルダムを設立し、指揮者として17、18世紀の音楽の演奏活動を行う。
その後、コンセルトヘボウ管弦楽団をはじめヨーロッパの主要な楽団の客演指揮を多く行う。
2006年からはネザーランド交響楽団の音楽監督を勤めている。

ネザーランド交響楽団

 オランダのオーフェルアイセルを拠点とする楽団。
設立年などは不明であるが、フリエンドを音楽監督として迎え入れてからはオランダのみならず世界レベルの楽団として認識されるようになった。
なお、ネザーランドフィルハーモニーはこれとは別の団体である。

第1楽章 16'42"
第2楽章 12'46"
第3楽章   5'33"
第4楽章 11'19"
 合計   46'25

 第1楽章は程よいテンポと明瞭で歯切れよいリズムで、メリハリがあってとても生きのよいはつらつとした演奏だ。
中盤以降は力強さと熱気が加わる。
 第2楽章は速いテンポで、目が洗われるような鮮明な演奏だ。
中盤以降は鮮明さが一層増し、奥行きが出て立体感も加わる。
 第3楽章はリズムがすばらしく、躍動感を感じる。
そして勢いが最後まで持続される。
 第4楽章は明瞭なリズムに支えられて、力強さとしなやかさを兼ね備えた鮮明な演奏だ。
勢いもあり、曲の流れもよい。

 リズム、勢い、曲の流れがバランスして、大変鮮明な演奏だ。
指揮者のあふれんばかりの才能を感じる。
今後どう発展して行くのかが楽しみな指揮者である。

CD 376 Jan Willem de Vriend,Netherlands S.O.;2009/5

Vriend2009

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指揮 ポリツィ 録音 1982年

<CD 369>

指揮 アントニノ・ポリツィ
演奏 ブダペスト交響楽団
録音 1982年11月

アントニノ・ポリツィ

 1928年~
ウーディネ生れのイタリア人指揮者。
はっきりした経歴はわからない。
現在はベニス在住で、法律学博士とのことである。
音楽は晩学だそうで、70年代にフェニーチュ歌劇場の指揮者として活動を開始している。
本名を隠して録音活動をしていたそうで、いわゆる幽霊指揮者であった可能性もある。
ベートーヴェンの交響曲を10年以上研究し、1982年~1994年にかけて全曲の録音を果たしている。
これらは本名で録音している。
はっきりしたことは不明だが、本業は法律家で、音楽は余技であるのかも知れない。

ブダペスト交響楽団

1943年にハンガリーのラジオ用のオーケストラとして設立される。
著明な指揮者を客演指揮者として招き、活動を活発化させている。
1993年からヴァシャーリが音楽監督を勤めている。

第1楽章 14'45"
第2楽章 15'55"
第3楽章   5'51"
第4楽章 11'39"
 合計   48'10

第1楽章はテンポはやや速めであるが、適度に緩急の変化をもたせている。
リズムはやや浅めであるが、歯切れがよい。
音量も巧みに変化をもたせている。
音色は明るく、整然としていてきもちよい演奏だ。
第2楽章は標準的なのテンポで、整然としていて美しい演奏だ。
弱音の使い方が巧みであり、情感も十分込められている。
イタリア人らしく、十分に歌わせている。
第3楽章は軽快で優美な演奏である。
第4楽章は快適なテンポと軽快なリズムで、整然としていながらも流麗な演奏だ。

どの楽章もゴツゴツとした感じは全くなく、すっきりとしていてさわやかな印象の演奏だ。
ポリツィはテンポやリズムを十分研究し、また例えばスケルツオとは何かなどを原点に戻って考えたそうである。
テンポや音量に巧みに変化をつけ、演奏の流れもよく、研究した成果が十分に現れていると感じられる。
熟練した技をもっていて、よく練られた演奏なので、余技として音楽をやっている人のようには思えない。
オーケストラも水準以上のレベルにあると感じられた。
なお、ベートーヴェンの交響曲全曲の録音では、ポリツィはエロイカを最初に録音している。
この曲の演奏に自信をもっていて、まずこの曲の録音を成功させて波に乗ろうとしたのではないだろうか。

CD 369 Antonino Polizzi Budapest SO. ;1982/11

Polizzi

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