指揮 フリート 録音 1927年

<CD 405>

指揮 オスカー・フリート
演奏 ベルリン国立歌劇場管弦楽団
録音 1924年

オスカー・フリート 1871~1941年

 ベルリン生、ドイツ人の指揮者、作曲家。
家庭が貧しかったため、様々な職業に就きながら、音楽の勉強を続ける。
 1901年に自作の作品がベルリンフィルの演奏会で取り上げられ、注目される。
1905年からベルリンフィルやベルリン国立歌劇場管弦楽団を指揮し、音楽家としてドイツ音楽界の頂点に立つ。
この頃マーラーの交響曲の全曲録音を達成するなど活躍する。
第2次大戦が始まるとナチスに追われトビリシに亡命後、しばらくして音楽活動を再開するが、やがて病気で波乱の人生を終える。

ベルリン国立歌劇場管弦楽団

 1742年に初回の演奏会をもったという記録をもつ250年以上の歴史をもつ楽団。
東西ドイツに分断されたときは東ドイツに属していた。
戦前はE・クライバーやフルトヴェングラーなどが指揮台に立ち、戦後はコンビチュニー、スィトナー、バレンボイムなどが音楽監督を務めた。

第1楽章 14'57
第2楽章 15'18"
第3楽章   4'00"
第4楽章 11'27"
 合計   45'42
 
 第1楽章は、気負いがなく、穏やかかつ軽快な演奏で、録音状態が良くないことにも起因しているであろうが、大変ノスタルジックな印象である。
この楽章全体を通して、よどみのない流れの良い演奏である。
 第2楽章も穏やかな演奏で、やはりノスタルジックでしみじみとした味わいがある。
中盤から終盤にかけても自然な演奏で、無理がない。
 第3楽章はとてもテンポが速い。
リズムも躍動感にあふれている。
中盤はゆったりしたテンポに変わるが、終盤はまた速いテンポとなる。
 第4楽章も気負いがなく、整然としていてオーソドックスな演奏だ。
ただし、テンポをうまく変化させ、決して単調と感じることはない。

 オスカー・フリートは長い下積みで苦労した後、突然ドイツ音楽界の寵児となって脚光を浴びる存在となったが、この演奏はそういう時期にもかかわらずおごりや気負い、華やかさはなく、実に堅実なものだ。
90年近く昔の録音なので、音が貧弱でノイズも多いのは致し方ない。
しかし、このような録音が残されているのはとてもありがたく、貴重な存在である。

CD405 Oscar Fried,Staats Kapelle Berlin;1924

Fried

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指揮 カンブルラン 録音 2009年

<CD 387>

指揮 シルヴァン・カンブルラン
演奏 バーデン=バーデン&フライブルクSWR交響楽団(南西ドイツ放送交響楽団)
録音 2009年2月14日

シルヴァン・カンブルラン 1948~

 フランス アミアン生、フランス人の指揮者。
始めはトロンボーン奏者として活躍したが、1975年に指揮者へ転向した。
ベルギー王立歌劇場、フランクフルト歌劇場の音楽監督を勤め、現在はバーデン=バーデン&フライブルクSWR交響楽団(南西ドイツ放送交響楽団)の主席指揮者を勤めている。
2010年には読売日本交響楽団の指揮者も兼任している。
ヨーロッパやアメリカの主要なオーケストラへの客演も多い。
メシアン、ベルクなどの現代音楽も得意としていて、演奏会のプログラムには工夫をこらし、ハイドン、モーツァルト、ベートーベンなどの曲と現代音楽を組み合わせることも多い。

バーデン=バーデン&フライブルクSWR交響楽団(南西ドイツ放送交響楽団)

 1946年に設立された楽団で、バーデン=バーデンに本拠地を置く。
クラシカルな曲と現代音楽の両方を得意とする楽団である。
初代の首席指揮者はハンス・ロスバウトで、コルトやギーレンなどが首席指揮者を務めた。
 
第1楽章 16'20"
第2楽章 12'48"
第3楽章   5'34"
第4楽章 10'37"
 合計   45'19"

 第1楽章は出だしの和音が特徴的である。
速いテンポで、力強く勢いのある演奏だが、ゴツゴツした感じはなく、明るく、すっきりとして伸びやかな演奏だ。
 第2楽章も速いテンポで、適度に陰影と情緒を施しつつも、力強くしっかりした演奏だ。
中盤の盛り上がりも壮大なものだ。
 第3楽章は全体的に力強く、シンフォニックな響きの演奏だ。
第4楽章は軽快なテンポで、力強く大きな演奏だが、弾力性があり柔らかで、決して剛直な演奏ではない。

 テンポが速く、力強い演奏だが、力任せではなくコントロールが行き届き、洗練された演奏である。
全楽章とも安定していて、メリハリがあり、統一された印象がある。
やはりドイツ風というよりフランス風の演奏なのだろうか。
前回紹介したライスキと同じくヨーロッパの中心部で活躍する指揮者ではないが、実力者であると感じる。

 オーケストラもヨーロッパの中堅の楽団らしく、よく鳴り、洗練された演奏を展開している。

CD387 Sylvain Cambreling,SWR Symphony Orchestra Baden-Baden&Freiburg;2009/02

Cambreling

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指揮 メータ 録音 2011年

<CD 381>

指揮 ズービン・メータ
演奏 シュターツカペレ・ベルリン(ベルリン州立歌劇場管弦楽団)
録音 2011年1月5日 ライブ録音

ズービン・メータ 1936~

 インド ボンベイ生、インド人の指揮者。
ウイーンで音楽を学び、1959年にウイーンフィルを指揮してデビューした。
その後、モントリオール響、ロスアンジェルスフィル、ニューヨークフィルの指揮者を務め、77年からはイスラエルフィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を務めている。
オーケストラの曲はもちろん、オペラの指揮も得意としている。
ただし、不思議なことにベートーヴェンやマーラーについては全曲の録音を残していない。

シュターツカペレ・ベルリン(ベルリン州立歌劇場管弦楽団)

 プロイセン宮廷歌劇団のオーケストラとして1742年に設立された。
メンデルスゾーンやRシュトラウスも指揮台に立ち、ウェーバーの歌劇「魔団の射手」の初演はこの楽団による。
ワインガルトナー、E・クライバー、クラウス、クレンペラーなどが指揮をし、1992年よりバレンボイムが音楽監督を務めている。

第1楽章 15'39"
第2楽章 15'58"
第3楽章   5'54"
第4楽章 11'52"
 合計   49'23"

 第1楽章は、冒頭の和音が強烈で、その後も力の入った演奏が続く。
テンポはやや速いながらも安定している。
音に厚みがあり、リズムも弾力性に富み、大変重厚で濃密な演奏だ。
 第2楽章もテンポはやや速く、華奢の表現は全くなく、骨太のしっかりした演奏だ。
前楽章と同じく濃密で、陰影をくっきり表現している。
中盤以降はスケールの大きい重厚な演奏だ。
 第3楽章も勢いがあって、重厚で濃密な演奏である。
各フレーズをくっきりと表現している。
 第4楽章も濃厚で推進力のある演奏で、とても重量感がある。

 濃厚で推進力のある演奏は、一時代前の巨匠達の重厚壮大型の演奏スタイルを引き継いでいるように感じる。
現代の軽快で明瞭な演奏スタイルとは全く異なるもので、重厚壮大あるいはパワフルでエネルギッシュな演奏が好きな人達には大いに受け入れられるだろう。

CD381 Zubin Mehta,StaatsKapelle Berlin;2011/1/5

Mehta2011

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指揮 プレートル 録音 2010年

 明けましておめでとうございます。
本年も「ベートーベン 英雄 聴き比べ」をよろしくお願いいたします。

<CD 378>

指揮 ジョルジュ・プレートル
演奏 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団(シュターツカペレ・ドレスデン)
録音 2010年5月17日 ライブ録音

ジョルジュ・プレートル

1924~ フランス ブランドル地方のヴァジエール生

 フランス人の指揮者。
パリ音楽院で学び、フランス各地の歌劇場で指揮をする。
その後世界の各地の歌劇場で指揮者として活躍。
パリ オペラ座の音楽監督も務めた。
87才の高齢ながら、2007年および2009年のウィーンフィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートの指揮者として登場し、元気な姿を全世界に披露した。

ドレスデン国立歌劇場管弦楽団(シュターツカペレ・ドレスデン)

 1548年に設立された古い楽団である。
カール・ベーム、ルドルフ・ケンペ、ハイティンクなどが指揮者を務め、2012年からはティーレマンが音楽監督に就任する予定である。

第1楽章 14'39"
第2楽章 13'50"
第3楽章   5'55"
第4楽章 12'23"
 合計   46'47"
 
 第1楽章は速いテンポで力強く、リズムが明瞭でメリハリのある演奏だ。
はつらつとした若々しい演奏だ。
テンポや音量は自然に変化をつけていて、一本調子ではない。
 第2楽章はやや速いペースで、程よい情感が込められていて、陰影もくっきりと付けられている。
その後、力強さと厳かさが交錯した骨太の演奏となる。
中盤以降は激しくとても迫力があり、陰影の濃い大きな演奏だ。
 第3楽章はとても力強く、勢いのある激しいスケルツオだ。
 第4楽章は力強く、とても勢いがあるが、力任せではなく、地に足が着いていてとても風格のある堂々たる演奏だ。

 プレートルのエロイカの紹介は2006年、2009年に次いで3度目であることから、これは得意な曲の1つであろう。 
 この演奏は全体的に力強く勢いがあって若々しい演奏で、とても90歳に近い指揮者のものとは思えない。
堂々としていて風格もあり、さすが大家の演奏と感じる。
なお、前回のチェリビダッケの演奏と比較すると、演奏時間は10分以上も短い。
チェリビダッケやクレンペラーの最晩年の演奏は枯れた味わいもあったが、プレートルの演奏は万年青年のごとく若々しい。
 
CD378 Georges Pretre,Staats Kapelle Dresden;2010/5/17

Pretre2010

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指揮 チェリビダッケ 録音 1996年

<CD 377>

指揮 セルジュ チェリビダッケ
演奏 ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団
録音 1996年1月14日 ライブ録音

セルジュ チェリビダッケ

 1912~1996年

 ルーマニア ローマン生
戦後の混乱期に、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団の公募で同楽団の指揮者となる。尊敬するフルトヴェングラーの復帰に奔走し、彼の復帰後は副指揮者の立場をとる。しかし、ハードなリハーサルを要求するなど、次第に団員との溝ができ、1955年に同フィルの指揮者を辞任、以後38年はベルリンフィルを振ることはなかった。その後、シュトゥットガルト放送交響楽団やミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団の指揮者を務める。
録音嫌いだったとされ、大家の割りに録音があまり多く残っていない。

ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団

 ミュンヘンを本拠地として活動する楽団。
設立は1893年と古く、マーラーも指揮台に立ったそうである。
1967年にケンペが、1979年にチェリビダッケが指揮者となった。
現在はティーレマンが指揮者を務める。
チェリビダッケが録音嫌いであったため、この楽団の録音は少ない。
ミュンヘンにはバイエルン放送交響楽団もあり、互いに競い合っている。

第1楽章 16'45"
第2楽章 18'56"
第3楽章   6'56"
第4楽章 14'39"
 合計   57'12

 第1楽章は悠然と響く和音で始まる。
全体的にゆったりとしたテンポだが、緊張感が保たれており、決して間延びした印象は受けない。
一人の英雄が大地を踏みしめ、一歩一歩前進する姿をイメージさせる。
その足取りはとてもしっかりしていて、大地を力強く着実に進んで行く。
 第2楽章はさらにテンポが遅い。
いかにも葬送行進曲らしい荘重な響きが続く。
深く沈んだ演奏で、地底から音が湧き上がって来るようだ。
完全にチェリビダッケのペースに乗せられてしまっている。
この楽章も終始テンションが高く迫力のある演奏だ。
とてつもないスケールの大きさを感じる。
 第3楽章はさすがに軽快にスタートするが、やはりテンポが遅く、厳かな印象もある。
 第4楽章もゆったりしたテンポだ。
他の楽章と同じく、深く、荘重で、スケールの大きい演奏だが、この楽章の特長であるダイナミックさや変幻自在さも表現されていて、さらに優しさや枯れた幽玄な雰囲気まで味わうことができ、多様な表現力はさすがというべきだろう。

 大変スケールの大きな演奏で、しかも緊張感も持続している。
荘重で堂々たるこの演奏は他の指揮者では味わいにくいものだろう。
 演奏時間が57分余りと長いが、若いときのチェリビダッケの演奏は、例えばCD321は1959年で彼が47歳のときの演奏だが、48分台でこの演奏より9分近くも短く、颯爽とした演奏だった。
 晩年のこの演奏スタイルは長い年月を経て到達したものだろう。
なお、以前に紹介したCD320も同じ1996年1月だが、15日なのでこの演奏会の翌日ということになる。
これらの一連の演奏がおそらくチェリビダッケのエロイカの最後の演奏ではないだろうか。

 1年の締めにふさわしい大家の見事な演奏で締めくくることができて、とても良かったと感じている。

CD377 Sergiu Celibidache,Munich Philharmonic Orchestra;1996/1/14

Cheli1996a

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指揮 ガザリアン 録音 2010年

<CD 372>

指揮 ルーベン・ガザリアン
演奏 ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団
録音 2010年4月 ライブ録音

ルーベン・ガザリアン

1971年~ 
 アルメニア人の指揮者。
ヴァイオリニストとして活躍した後、2002年よりヴュルテンベルク室内管弦楽団の指揮者となる。
期待される若手指揮者の一人である。

ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団

 1960年に設立、ドイツのハイルブロンを本拠地とする室内管弦楽団。

第1楽章 17'37"
第2楽章 14'59"
第3楽章   4'23"
第4楽章 11'32"
 合計   48'31

 第1楽章はやや速めのテンポで、力強く、はつらつとしていて、生気あふれる演奏だ。
ボルテージが高く、爆演と言っても良いほどだ。
なお、室内楽団の演奏だがピリオド奏法ではない。
 第2楽章も骨太の演奏だ。
繊細さや感傷は排除して、力強さを前面に出している。
 第3楽章も力強く、激しく、華々しい演奏だ。
 第4楽章も骨太で、力強く、堂々たる演奏だ。
最初から最後まで力感あふれる演奏に終始し、華々しく終わる。

とにかく力強い演奏だ。
力感あふれる英雄像を構築している。

CD 372 Ruben Gazarian, Wurttembergisches Kammerorchesters Heilbronn ;2010/4 Live recording

Gazarian2010

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指揮 クナッパーツブッシュ 録音 1950年

<CD 355>

指揮 ハンス・クナッパーツブッシュ
演奏 バイエルン放送交響楽団
録音 1950年 ライブ録音

ハンス・クナッパーツブッシュ

1888~1965年
ドイツ エルバーフェルト生
 ミュンヘンやウイーンで活躍したドイツ人の指揮者、練習が嫌いな指揮者であったと言われる。
ワグナーやブルックナーの演奏に定評があり、バイロイト音楽祭の指揮で活躍した。

バイエルン放送交響楽団

バイエルン放送交響楽団は戦後の1949年に設立されたオーケストラ。
初代指揮者はヨッフムで、その後クーベリック、ディヴィス、マゼール、ヤンソンスが指揮者を務める。
歴史は浅いが、現在ドイツ屈指のオーケストラとされる。

第1楽章 16'13"
第2楽章 15'52"
第3楽章   6'26"
第4楽章 12'38"
 合計   51'09

第1楽章は大河の流れを連想させるゆったりとした堂々たる演奏だ。
力みもなく、安定したテンポで細部にはこだわらず、流れを大きく維持している。
第2楽章も力みがなく、安定していてゆったりとした演奏だ。
やはり大河のように大きく深い演奏だ。
第3楽章も力みやテンポの変動はなく、安定していて自然な演奏だ。
第4楽章も安定していて自然でオーソドックスなものだ。
穏やかでおおらかな演奏だが、品格は十分保たれている。

クナッパーツブッシュの他の演奏の中にはとてつもなくスケールの大きさを感じさせられるものもあったが、本演奏は穏やかで自然なものだ。
大家風、巨匠風を吹かせるものではないが、品格は保たれている。
なお、本CDはLPレコードを個人的にCDに変換したものである。
LPレコードの再生装置が不調のため、やむなくCD化して聴いている。

CD 355 Hans Knappertsbusch Bayern BSO  1950

Knappertsbusch1950

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指揮 ネルソン 録音 1986年

<CD 351>

指揮 ワルデマール・ネルソン
演奏 南西ドイツ放送交響楽団
録音 1986年2月

ワルデマール・ネルソン 1938~2006年

旧ソ連のキエフ生、ドイツのミュンヘンにて没。
幻の名指揮者とされ、その経歴はベールに包まれていて、よくわかっていない。
1970年代後期に旧ソ連から西側へ亡命。
1980年代にバイロイト音楽祭でローエングリンやオランダ人を指揮する。
録音としては、この盤の他に旧ソ連時代にモスクワPOを指揮し、クレーメルとのベートーヴェンのVn協、亡命後は南西ドイツRSOとのチャイコフスキーの第5交響曲、NDROとA.フィッシャーとのシューマンのPf協、それにバイロイトのローエングリンなどが残されている。

南西ドイツ放送交響楽団

南西ドイツ放送交響楽団は1946年に設立された楽団で、バーデン=バーデンに本拠地を置く。
クラシカルな曲と現代音楽の両方を得意とする楽団である。
初代の首席指揮者はハンス・ロスバウトで、コルトやギーレンなどが首席指揮者を務めた。

第1楽章 14'44"
第2楽章 15'10"
第3楽章   5'40"
第4楽章 12'00"
 合計   47'45

第1楽章はやや速めのテンポで、力強いリズムの剛直な演奏だ。
テンポもリズムも安定していて、曲の流れもよい。
音の強弱の幅も適度に設けられている。
第2楽章は音の強弱の変化を避け、強めの音で押している。
従って繊細さを排除し力強い堂々たる演奏になっている。
第3楽章は速いテンポで力強さに主点を置いた演奏だ。
第4楽章は特に曲の流れがよいように感じる。
流麗と言ってもよいほどで、力強さがあり、リズムもしっかりしている。
華々しくもあり、素晴らしい演奏だ。

迷いがなく自信をもって演奏しているし、オーケストラの統制もとれている。
曲もよどみなく流れている。
このような演奏ができるのも名匠といわれる実力を備えているからであろう。

CD 351 Woldemar Nelsson SWF SO 1986/2

Nellson1986

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指揮 サバリシュ 録音 1970年

<CD 335>

指揮 ウォルフガング・サバリッシュ
演奏 RIAS放送交響楽団
録音 1970年 ライブ録音

ウォルフガング・サバリッシュ 1923年~
ドイツ ミュンヘン生

 ウィーン交響楽団、バイエルン国立歌劇場管弦楽団、フィラデルフィア管弦楽団の指揮者を務める。
NHK交響楽団の客演指揮者も長く務め、現在名誉指揮者の称号をもつ。

RIAS放送交響楽団
 
 RIAS放送交響楽団はベルリンのアメリカ軍占領放送局の楽団として1946年に設立された。
初代指揮者のフェレンツ・フリッチャイの下で、東側で活躍していた音楽家も加わって設立当初からハイレベルの演奏を行い、現在も活躍を続けている。
フリッチャイの後、マゼールやアシュケナージなどが指揮者を務めた。
途中、1956年にベルリン放送交響楽団、1993年にベルリンドイツ交響楽団に改称した。
このCDの録音時の1970年はベルリン放送交響楽団の名称のはずだが、ジャケットに記されている呼び名通り、RIAS放送交響楽団としておく。

第1楽章 14'27"
第2楽章 16'42"
第3楽章   5'19"
第4楽章 11'59"
 合計   48'27
 
第1楽章は速めのテンポで、リズムは浅く柔らかいので、流麗な印象の演奏だ。
音の起伏もなだらかだ。
第2楽章は出だしは淡々とした自然な演奏だが、次第に情感が込められて来て、熱い演奏になって行く。
後半の盛り上がりは見事だ。
第3楽章は流麗さと力強さがミックスした演奏だ。
第4楽章はテンポが速く、緩急の切り替えが巧みで、リズムが踊り、力強さもあり、ダイナミックな演奏だ。

 各楽章毎では良い演奏だが、全体として印象が統一されていないように感じられた。
オーケストラの技術は高いと思う。

CD 335 Wolfgang Sawallisch RIAS BSO 1970

Sawallishrias

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指揮 若杉 録音 1977年

<CD 328>

指揮 若杉 弘
演奏 ケルン放送交響楽団
録音 1977年10月

若杉 弘 1935~2009

日本を代表する指揮者の一人。
1965年に読売日本交響楽団の指揮者となり同楽団を日本有数の楽団に引き上げる。
その後、ドイツやスイスで活躍、ドイツのケルン放送交響楽団、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団、東京都交響楽団、スイスのトーンハレ管弦楽団の指揮者を務める。
2007年に新国立劇場の音楽監督となった。

ケルン放送交響楽団

ケルン放送交響楽団はケルンWDR交響楽団とも呼ばれ、1947年に設立された。
ドホナーニ、若杉弘らが指揮者を務め、現在はビシュコフが首席指揮者を務める。
団員には日本人が多い。
なお、ケルン放送管弦楽団は別の団体である。

第1楽章 15'32"
第2楽章 15'40"
第3楽章   6'10"
第4楽章 12'30"
 合計   49'50

第1楽章は標準的なテンポ、厚みのある音で、地に足が着いた力強い堂々たる演奏だ。
第2楽章は表情が豊かで彫りの深い見事な演奏だ。
後半もどっしりとしていて堂々たる演奏だ。
第3楽章は軽妙かつ広がりがあり、澄み切った音色の演奏だ。
第4楽章は線が太く、安定感のある堂々たる演奏だ。
重量感もあり、音の響きも豊かだ。

 これまで聴いた日本人の指揮者によるエロイカでは、若杉氏のものが私には一番強く印象に残っている。
いずれもドイツのオーケストラによるものだが、どれもまるでドイツ人のマエストロが指揮をしているように感じられた。
これは、若杉氏がドイツ音楽だけではなく、ドイツの文学や絵画などドイツの文化に広く通じていることによるものではないだろうか。

CD 328 Hiroshi Wakasugi Köln BSO 1977/10

Wakasugi1977

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