指揮 ドゥダメル 録音 2012年

<CD 397>

指揮 グスターボ・ドゥダメル
演奏 シモン・ボリヴァル交響楽団
録音 2012年 3月 

グスターボ・ドゥダメル 1981年~

ベネズエラのバルキシメト生、ベネズエラ人の指揮者。
音楽家の両親の間に生まれ、幼い頃から音楽教育を受ける。
エル・システマの音楽教育にも参加する。
1999年にシモン・ボリバルユースオーケストラの指揮者となる。
2003年にヨーロッパに渡る。
デュトワ、ラトル、アバドなどから指導を受ける。
2004年にマーラー国際指揮者コンクールで優勝。
ヨーロッパで指揮者として活躍、2007年にエーテボリ交響楽団の首席指揮者、2009年にロスアンジェルスフィルハーモニーの音楽監督に就任する。
将来が期待される注目の若手指揮者である。

シモン・ボリバル交響楽団

 ベネズエラにはエル・システマという制度がある。
これは貧困家庭の子供達を音楽教育を通して育成しようとする活動で、シモン・ボリヴァル交響楽団もその生徒達で構成されている。
ドゥダメル自身もエル・システマによる音楽教育を受けている。
このオーケストラは1999年に設立され、当時17歳のドゥダメルが初代の指揮者となった。
メンバーはベネズエラのエル・システマの200のオーケストラから選抜された中・高生や20代の若者で構成されている。

第1楽章 17'27"
第2楽章 17'32"
第3楽章   5'24"
第4楽章 12'07"
 合計   52'30

 第1楽章は力強い和音で始まる。
テンポは標準的であるが、テンポとリズム、音量がうまくかみ合って、とても新鮮で力強い響きの演奏である。
透明感のある音色がフレッシュ感をより一層増幅させているようだ。
中盤のダイナミックさも見事だ。
そのまま緊張感を維持してフィナーレへ向かう。
 第2楽章の始まりでは彼はゆったりとしたテンポで情緒たっぷりと歌わせている。
中盤からのギアチェンジも見事だ。
音量の変化を大きくとり、壮大な音楽を構築して行く。
スケールの大きい堂々たる中・終盤である。
 第3楽章はメリハリのある演奏だ。
 第4楽章は勢いがあり、エネルギッシュで生気あふれる演奏だ。
楽章全体が躍動感と輝きに満ちている。

 ドゥダメルのエロイカの演奏はエーテボリ交響楽団のものに続いて2度目である。
前の演奏と比べると演奏時間が5分も長くなっている。
それだけ進化していると言えそうである。
 久々に痛快な演奏に出会った。
この演奏を聴くと、ドゥダメルの才能は巷間で言われているよりもっとすごいと感じる。
これからもクラシック音楽界のスターとして光り輝き続けて欲しい。

CD 397 Gustavo Dudamel,Simon Bolivar Symphony Orchestra;2012/3

Dudamel2012

| | コメント (3) | トラックバック (0)

指揮 ネシュリング 録音 2008年

<CD 366>

指揮 ジョン・ネシュリング
演奏 サンパウロ交響楽団
録音 2008年3月

ジョン・ネシュリング

1947年サンパウロ生、ブラジル人の指揮者。
ピアノと指揮を学び、スワロフスキー、バーンスタイン、小澤に師事する。
ヨーロッパ各地の歌劇場で指揮活動を行うが、1980年にブラジルに戻り、サンパウロやリオデジャネイロの劇場で指揮者となる。
その間アメリカやヨーロッパでも活動をしている。
1997年から2009年までサンパウロ交響楽団の音楽監督を務める。
また映画音楽の作曲も行うなど多彩な活躍をしている。

サンパウロ交響楽団

 1954年に設立されたブラジルの楽団。
1997年にネシュリングが音楽監督になって以降めざましい活躍をし、南米を代表する楽団となり、世界的にも認められるようになった。

第1楽章 16'01"
第2楽章 14'49"
第3楽章   5'31"
第4楽章 10'36"
 合計   46'57

第1楽章は速いテンポでリズムが歯切れよく、軽快な演奏だ。
独特のリズムはピリオド奏法を意識したのだろうか。
音色は明るく、開放的な印象だ。
第2楽章も速めのテンポであっさりした演奏だが、情感は込められている。
中盤から終盤も音量の変化は節度あるもので、劇的な表現は意図していないようだ。
第3楽章も軽快で明るい印象だが、時折勢いのある所も見せる。
第4楽章もテンポがとても速く、変奏が次々に切り替わって行く印象だ。
重厚さを排除し、明るく色彩豊かな演奏だ。

 過激な表現を避け、全体的にはこぢんまりした演奏だ。
代わりに軽快さと色彩の豊かさが前面に押し出されている。
ネシュリングはベートーヴェンの交響曲をハイドンやモーツァルトのものの延長線上にあると考えているのかも知れない。
 サンパウロ交響楽団もしっかりした演奏を展開しており、南米のオーケストラの存在価値をきちんと主張しているようだ。
音色はとても明るい。

CD 366 John Neschling;Sao Paulo SO 2008/03

Neschling2008

| | コメント (2) | トラックバック (0)

指揮 チバス 録音 2007年

<CD 203>

指揮 エドウァルド・チバス
演奏 ヴェネズエラ交響楽団
録音 2007年7月 ライブ録音

第1楽章 15'22"
第2楽章 17'31"
第3楽章   5'12"
第4楽章 12'55"
 合計   51'10"

エドウァルド・チバス
キューバ ハバナ生

生年不明。
アメリカのコロンビア大学で応用数学とオペレーションズリサーチを学ぶ。
1971年からヴェネズエラに住む。
1992年からヴェネズアラ交響楽団の指揮者となる。
ベートーヴェン、ワーグナー、ブルックナーの演奏を得意とする。
ヴェネズエラのワーグナー協会の会長を務めている。

ヴェネズエラ交響楽団は1930年に創設された。
海外から優れた音楽家を呼び、指導を受けている。
フルトヴェングラー、チェリビダッケ、ストラヴィンスキー、クレンペラー、オーマンディなどがこの楽団を指揮している。

第1楽章は中庸なテンポで、オーソドックスな演奏である。音量も豊かで重量感もある。ただ、平板的な表現と感じられる部分もあり、もっと緊張感と切れがあると良いと感じた。
第2楽章はゆったりとしたペースで奇をてらわないオーソドックスな演奏だが、やはり平板的に感じる部分があり、もっと起伏と陰影があっても良いと感じた。
第3楽章はテンポが速く、勢いと活力のある演奏である。
第4楽章は出だしがスローテンポで、第3楽章とのつながりがややちぐはぐに感じられた。途中からペースが速くなり、ダイナミックで堂々とした演奏となっている。

中南米というとラテン音楽という独特のリズムをもった音楽を連想するが、クラシック音楽の土壌もあったことは新たな発見であった。
これからどういう録音が出てくるのか楽しみである。

CD 203 Chibas Venezuela SO 2007/7

Chibas

| | コメント (0) | トラックバック (0)