演奏 ヴァン・スヴィーテン・ソサイアティ 録音 2014年 

<CD 420>

 しばらく振りにBLOGを更新します。
オランダのピアノ五重奏による珍しい演奏です。
編曲はベートーヴェンの弟子のフェルディナンド・リースです。

指揮 なし
演奏 ヴァン・スヴィーテン・ソサイアティ
録音 2014年3月
編曲 フェルディナンド・リース
ヴァン・スヴィーテン・ソサイアティ
 オランダのピアノ五重奏団、古楽器を用いた演奏で、バロック、古典派からロマン派前期までをレパートリーとする。
メンバー5名のうち3名は女性である。
フォルテ・ピアノ Bart van Oort
ヴァイオリン   Helen Hulst
チェロ      Job ter Haar
フルート     Marion Moonen
ヴィオラ     Bernadette Verhagen

フェルディナンド・リース
 ベートーヴェンの弟子で、ベートーヴェンの伝記の作者として知られている。
波乱万丈の人生を送ったが、作曲家として多くの作品を残している。
その多くは世の中から忘れられていたが、1990年代になって、見直しが行われている。

第1楽章 14'12"
第2楽章 12'36"
第3楽章   6'16"
第4楽章 11'32"  
合計      44'36"

 第1楽章はおおらかに始まり、演奏形態からしてサロン風の演奏で、オーケストラによる演奏のような雄渾さはないが、ベートーヴェンの時代の演奏を彷彿とさせる演奏である。
まったく、心地よい演奏である。
 第2楽章は始めはピアノが主役であり、リストの編曲による独奏と同様、モノトーンの響きが心を揺さぶる。
他の楽器が追随し、美しく物悲しい演奏が連綿と続く。
後半の怒りの旋律はさすがに迫力がないが、ここでもサロン風の演奏を楽しむことができる。
 第3楽章は演奏形態が最もマッチした楽章である。
スケルツオのリズムをピアノが奏でて、途中から他の楽器とのコンビネーションが絶妙に展開される。
編曲と演奏の両方が優れている。
 第4楽章はこの演奏形態ではこの楽章のもつ特色をうまくカバーできていないように感じるが、これは致し方ないであろう。
原曲のもつ迫力が編曲と演奏の力の限界を超えているように感じた。

 このCDはベートーヴェンの時代のサロン風の演奏を楽しむためのものである。
その目的は十分に達成されている。
現代のフルオーケストラによる演奏と比較してはいけないのである。

CD420,van Swieten Society,2014 Recording

Vansa

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新年のご挨拶

 年賀状形式で新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は1件のみのアップに終わりました。
仕事も一段落したので、今年こそ頑張るつもりです。

2017blog_5








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指揮 マルティノン 録音 1970年

<CD 419>

 しばらく振りにBLOGを更新します。
仕事や地域活動で多忙ということもありますが、相変わらず耳が不調で、聴力はあるものの、耳鳴りがひどく、音楽を聴く気になりません。
しかし、マルティノンが指揮するエロイカを入手したので、これは是非聴かねばなりません。  
高校生の頃、彼がウィーンフィルを指揮したチャイコフスキーの悲愴を聴き、とても感動したことが忘れられないからです。
マルティノンがベートーヴェンを指揮したものはこれまで聴いたことがありませんが、フランス系の指揮者のモントゥ、ミュンシュやクリュイタンスなどはベートーヴェンの名演を残しているので、当然期待は高まります。

指揮 ジャン・マルティノン
演奏 フランス国立放送管弦楽団
録音 1970年1月 シャンゼリゼ劇場におけるライブ録音

ジャン・マルティノン 1910~1976
 リヨンで生まれたフランス人の指揮者。
リヨン音楽院でヴァイオリンを学び、パリ音楽院でヴァイオリン、作曲、指揮法を学ぶ。
兵役の後、作曲家として活動する。 自作を指揮した演奏会で認められ、その後は指揮者の道を歩む。
ミュンシュやボールトのアシスタントを務めた後、指揮者として広く活躍する。
ラムルー管弦楽団、シカゴ交響楽団、フランス国立放送管弦楽団などの主席指揮者を務めた。

フランス国立放送管弦楽団
 1934年に設立されたフランスを代表する楽団である。
マルティノンは1968年から1974年まで6年間にわたりこの楽団の主席指揮者を務めた。
歴代の主席指揮者はマルティノンのほか、チェリビダッケ、マゼール、デゥトワ、マズアなどである。

第1楽章 15'23"
第2楽章 16'10"
第3楽章   5'47"
第4楽章 12'36"  
合計      49'56"

 第1楽章は標準的で揺れの少ないテンポである。
リズムは柔らかく、しなやかでゴツゴツ感はない。
程よい重量感があり、芯のしっかりした演奏で、一音一音が聴く人の内面に食い込む印象である。
 第2楽章はこの楽章にありがちな過剰な演出はなく自然な演奏であるが、出だしの部分はややもたつく感がある。
しかし尻上がりに調子が良くなり、魂がこもったスケールの大きな演奏となる。
 第3楽章はリズムが良く、牧歌的な部分の軽快さとシンフォニックな部分の躍動感のバランスが取れていて、筋の通った演奏である。
 第4楽章は流れが良く、熱気があり、テンポ、リズム、音量の一体感が素晴らしい。
 
  第1楽章、第2楽章に管楽器がやや無神経な音を出す部分が少し気になったが、ライブらしく尻上がりに調子が上がる。
ドイツ流とは一味違うマルティノンらしさを感じる演奏である。

CD419,Jean Martinon,Orchestre National de l'ORTF,1970/1,Live Recording

Martinon_eroica

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新年のご挨拶

2016blog_4

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指揮 山田 録音 1991年

<CD 418>

指揮 山田 一雄
演奏 大阪センチュリー交響楽団
録音 1991年3月 ザ・シンフォニーホールにおけるライブ録音

山田 一雄

 1912~1991

 東京生れ、始めはピアニストとしてスタートするが、1940年から指揮台に立つ。
日本交響楽団(NHK交響楽団の前身)、京都市交響楽団、新星日本交響楽団などの指揮者を勤める。
海外でも広く活動した。
しかし、この演奏会のわずか5カ月後にこの世を去った。
日本の指揮者の草分けの一人であり、本邦初演の曲も多い。

大阪センチュリー交響楽団

 大阪センチュリー交響楽団は1989年に大阪府により設立された。
2010年に当時の橋本知事は支援金を大幅に減額し、2011年には完全に支援を打ち切った。
これを機にオーケストラは日本センチュリー交響楽団へと名称を変更した。
現在は小泉和浩が音楽監督、沼尻竜典が首席客演指揮者を勤めている。
レパートリーは古典派から現代までと広く、海外でも活動する。

第1楽章 15'24"
第2楽章 17'24"
第3楽章   6'01"
第4楽章 12'20"
 合計   51'09"

 第1楽章はテンポはやや遅めであるが、リズムの歯切れがよく、オーソドックスで流れの良い演奏である。
力強さと緊張感も備わっており、精神性の高い演奏である。

 第2楽章はテンポは遅めながら、変動が少なく、やはりオーソドックスな演奏だ。
音に強弱を付け、陰影が濃く、深みを感じる演奏である。
音に広がりがあり、格調の高い演奏だ。

 第3楽章はリズムにメリハリがあり、音の強弱と合わせてリズミカルで牧歌的な味わいをもつ。
 第4楽章は小気味よいテンポにきめ細かいリズムが組み合って流れがよく、ダイナミックさあり、躍動感のある演奏だ。

 このオーケストラは48人とやや小編成であるが、音の厚みの不足は感じられず、充実しかつ精神性の高い演奏を展開している。
この演奏を聴くと、山田氏にはもっと長く活躍して欲しかったとつくづく感じるのである。

 6カ月間のブランクを経ての復帰第1段のCD鑑賞であるが、やはり耳鳴りがひどく、古いLPレコードを聴いているようなノイズをバックグランドに感じる。
本来澄んだ良い音なのであろうが、残念である。
これからはノイズに惑わされず、CDの音に集中できるよう気持ちを切り替えて行こう。

CD418,Kazuo Yamada,Century Orchestra Osaka,1991/3,Live Recording

Yamada_eroica

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お知らせ

 長らく記事の更新をさぼっています。
ご紹介したいCDは多く準備しているのですが、体調が思わしくなく、CDを聴く気になりませんでした。
突発的な耳鳴りが出て、治療を受けましたが、改善しません。
聴力も落ちていますが、この状態に慣れてきたので、またCDを聴いてみようと思っています。
近々、記事を更新するつもりです。

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新年のご挨拶

 年賀状を利用して、新年のご挨拶を申し上げます。

B2015

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指揮 ブリュッヘン 録音 2005年

<CD 417>

指揮 フランス・ブリュッヘン
演奏 18世紀オーケストラ
録音 2005年8月 ライブ

フランス・ブリュッヘン
1934年~2014年
オランダ アムステルダム生 リコーダーの名手として活躍したが、1981年に18世紀オーケストラを設立し、指揮者として演奏活動を続けている。
レパートリーはバロックから前期ロマン派までである。

18世紀オーケストラ
 18世紀オーケストラはブリュッヘンにより設立された楽団で、オランダのアムステルダムを拠点に活動している。
楽器はすべて古楽器を用いている。
団員は16名に過ぎない。
日本人らしき名前、Natsumi Wakamatsu(1st Violin)とYoshiko Morita(2nd Violin)2名がある。
 
第1楽章 18'17"
第2楽章 12'44"
第3楽章   5'38"
第4楽章 11'49"
 合計   48'28"

 第1楽章は折り目正しく、格調の高い演奏である。
しかも中盤以降は骨太で激しい演奏である。
 第2楽章は過剰な演出はなく、淡々とした出だしであるが、格調が高く奥行きのある演奏である。
中盤以降は目を見張るような深みのある厳しい演奏で、地の底から悲しみの叫びが聞こえてくるかのようだ。
 第3楽章は快速なテンポで、はつらつとしていて、かつシャープな演奏である。
 第4楽章は立体感、躍動感にあふれ、彫りの深い演奏である。

 今年、惜しくも亡くなられたブリュッヘンの追悼盤とも言えるCDを入手した。
ショパン協会によるもので、ワルシャワにおけるライブである。
ブリュッヘンらしい彫りの深いしっかりとした構成で、厳しさもある演奏である。
 18世紀オーケストラは通常の約1/4のわずか16名で構成されているが、小編成とは思えない豊かでしっかりとした音は見事である。
 2014年はクラシック界の巨匠が多く世を去った年であった。
1月にアバド、6月にデ・ブルゴス、7月にマゼール、8月にブリュッヘン、9月にホグウッドが亡くなられた。
これらの巨匠達が名演奏を多く残されたことに感謝しつつ、ご冥福をお祈りする。

CD417,Frans Brüggen,18th Century Orchestra,2005/8,Live Recording

2005

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指揮 堤 録音 1997年

<CD 416>

指揮 堤 俊作
演奏 ロイヤルチェンバーオーケストラ
録音 1997年11月 ライブ

堤 俊作 1946年~2013年
 大阪府出身の日本人指揮者。
1975年に東京シティフィルハーモニックを、1993年にロイヤルチェンバーオーケストラを、1997年にロイヤル・メトロポリタン管弦楽団を設立し育成した。
札幌交響楽団、大阪市音楽団の音楽監督も努め、ヨーロッパや中米など海外でも指揮活動を展開した。
管弦楽、吹奏楽の指揮のほか特にバレエの公演では第一人者として活躍した。

ロイヤルチェンバーオーケストラ
 ロイヤルチェンバーオーケストラは、東京都を本拠地とする室内オーケストラである。
1993年に堤俊作により設立された。
サイトウキネンオーケストラなど内外で活躍したメンバーで構成される。
大編成の曲はロイヤル・メトロポリタン管弦楽団として団員を増やして演奏している。
このエロイカは通常のフルオーケストラの約半数の37名で演奏している。
 
第1楽章 17'04"
第2楽章 14'54"
第3楽章   5'48"
第4楽章 11'52"
 合計   49'38"

 第1楽章は堂々とした出だしで始まり、中庸のテンポ、歯切れのよいリズムで、簡潔で明快な演奏だ。
テンポやリズムの揺れがなく、誇張や過度の表現もなく、耳障りの良い落ち着いた演奏である。
 第2楽章も虚飾のない簡潔で清清しい演奏である。
この楽章もテンポ、リズムが安定している。
 第3楽章も一貫して安定したきもちよい演奏である。
 第4楽章も終始安定したよい流れの演奏である。

 やや小編成の構成であり、室内楽の雰囲気とオーケストラの雰囲気の両方が味わえる。
特筆すべきは、メンバー個々の技術が高いことである。
小編成の場合、合奏技術もさることながら、メンバー個々の技術が問われるが、技術が高く音色も美しい。
録音も優秀である。
決して重厚壮大な演奏ではないが、落ち着いた飽きない演奏である。

CD416,Syunsaku Tsutsumi,Royal Chamber Orchestra,1997/11,Live Recording

Tsutstmi1997

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指揮 マゼール 録音 2006年

<CD 415>

指揮 ローリン・マゼール
演奏 ニューヨークフィルハーモニー管弦楽団
録音 2006年9月 ライブ

ローリン・マゼール 1930年~2014年
 フランス、パリ近郊生まれのアメリカ人指揮者。
生まれて間もなく、アメリカへ移住。
早くからヴァイオリンと指揮を勉強。
10代で指揮者としてデビュー。その後ヨーロッパで活躍。
ベルリン放送交響楽団、クリーブランド管弦楽団、ウィーン国立歌劇場管弦楽団、バイエルン放送交響楽団、ピッツバーグ交響楽団、ニューヨークフィルハーモニー管弦楽団などの指揮者を務める。
数年前にニューヨークフィルを率いて北朝鮮で演奏会をしたことが話題になった。

ニューヨークフィルハーモニー管弦楽団
 ニューヨークフィルハーモニー管弦楽団は1842年に設立された楽団で、アメリカの5大オーケストラの1つである。
創世記にはマーラーも指揮台に立ち、23年からメンゲルベルグ、27年からはトスカニーニが指揮をした。
フルトヴェングラーも客演し、ストコフスキーも指揮をした。
さらにミトロプーロスの後、58年から69年までバーンスタインが音楽監督を長く務めた。
その後、ブーレーズ、メータ、マズア、マゼールが音楽監督となった。
この楽団はレパートリーが広く、柔軟性があってどの指揮者にも対応できること、また管楽器奏者に名手が多いことが特長である。

 
第1楽章 14'18"
第2楽章 17'28"
第3楽章   6'02"
第4楽章 13'55"
 合計   51'43"

 第1楽章は快適なテンポと歯切れの良いリズムで進むが、ややせっかちな印象もあり少々残念である。
中盤からは熱気が加わり、闊達な演奏となる。
テンポも通常に戻り、テンポと音量に細かく変化を付け、引き込まれる演奏となる。
 第2楽章は、ゆったりとしたテンポで、美しさと情感を保ちながらも格調の高いゆるぎない演奏である。
特に金管楽器の音色は勢いもあり、素晴らしい。
 第3楽章は地にしっかりと足が着いた演奏で、この楽章も金管楽器が絶妙の演奏をする。
第4楽章はテンポ、リズム、音量が最適にチューニングされていて、聴き手の心を引きつけて離さない。
とりわけ金管楽器の活躍が目立つ。

 この演奏は指揮者が知り尽くした曲を、決しておざなりではなく熱気をもって演奏しており、マゼールの経験、才能、技術が遺憾なく発揮されている。
第1楽章の始まりがややせっかちな印象を受けるのが残念であるが、それを除くと素晴らし出来であり、巨匠と言われるにふさわしい演奏だ。
ニューヨークフィルの演奏もさすがで、金管楽器の充実さは評判通りである。
 私はこの録音とほぼ同じ時期に、マゼールとニューヨークフィルの日本公演を聴いた。
曲はベルリオーズの幻想交響曲であったが、金管楽器のすごさに仰天させられた。
マゼールは惜しくも今年亡くなられたが、素晴らしい録音を数多く残されたことに感謝するとともに、ご冥福をお祈りしたい。

CD415,Lorin Maazel,Newyork Philharmonic Orchestra,2006/09,Live Recording

Mazzel2006

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指揮 ドラティ 録音 1957年

<CD 414>

指揮 アンタル・ドラティ
演奏 ミネアポリス交響楽団
録音 1957年3月

アンタル・ドラティ
 1906~1988年
ブダペスト生まれ、ハンガリー人の指揮者。
ブダペスト音楽院を卒業後、ヨーロッパで指揮活動を展開する。
1945年からアメリカで指揮者として活動、ダラス交響楽団、ミネアポリス交響楽団の指揮者となる。
1963年からヨーロッパに戻り、BBC交響楽団、ストックホルムフィルハーモニー管弦楽団、ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団の指揮者となる。
途中、再びアメリカのワシントンナショナル交響楽団、デトロイト交響楽団の指揮者も兼ねた。
ドラティはこのように多くの楽団に指揮者として迎えられたのには理由があるのである。
苦境にある楽団を立て直した実績を買われ、多くの楽団に乞われそれを復活させ、レベルを引き上げたのである。
その功績は大きい。

ミネアポリス交響楽団
 1903年に設立され、ミネアポリスに拠点を置くアメリカの楽団である。
設立当初はミネアポリス交響楽団という名称であったが、1968年からミネソタ交響楽団の名称になった。
ドラティは1949年から1960年までこの楽団の常任指揮者を勤め、この楽団のレベルアップに大いに貢献した。
ドラテイの他オーマンディ、ミトロプーロス、スクロヴァチェフスキー、マリナー、ワールト、大植英次、ヴァンスカがこの楽団の指揮者を勤めた。

第1楽章 14'01"
第2楽章 15'36"
第3楽章   5'20"
第4楽章 10'36"
 合計   45'36"

 第1楽章は早めのテンポで、気負いがなく、整然とした演奏で、素朴な響きの演奏である。
テンポや音量の変化も少なく、ベートーヴェン時代の演奏スタイルを再現しているかのようである。
 第2楽章もテンポが速く、細工のない自然で素朴な響きの演奏だ。
この楽章もテンポや音量の変化は少ないが、さすがに終盤は盛り上がりを見せる。
 第3楽章もテンポが速く、勢いのある演奏だ。
第4楽章は早いテンポで、音量やテンポの変化は自然な範囲で行われている。

 この演奏はフルオーケストラによる重厚で壮大な演奏スタイルとは違っている。
オーケストラの響きから推察すると小編成と思われる。
ベートーヴェンの時代の演奏スタイルを目指しているようだ。
80年代にホグウッド等が古楽器を用いたピリオド奏法の演奏を展開し注目を浴びたが、この演奏はピリオド奏法ではないものの、そのさきがけと言えるのではないだろうか。
なお、ドラティのエロイカは76年に録音したロイヤルフィルハーモニーとの演奏をすでに紹介しているが、その演奏とはスタイルが異なっている。
このCDは世界で初めてCD化されたものだそうである。

CD414,Antal Drati,Minneapolis Symphony Orchestra,1957/03

Drati57

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指揮 江原 録音1999年

<CD 413>

指揮 江原 功
演奏 名古屋シンフォニア管弦楽団
録音 1999年2月 ライブ

江原 功 196?年~
 桐朋学園で学び、1989年から指揮活動を行う。
1990年にニューヨークシティバレエ団日本公演での指揮を勤める。
その後バレエの指揮活動の他、オーケストラや室内楽団の指揮、教育の分野で活躍している。

名古屋シンフォニア管弦楽団
 1982年4月に名古屋周辺のアマチュア音楽家を中心に設立された。
現在84名が在籍している。
1年に2回、愛知県立芸術劇場で定期演奏会を行っている。
定期演奏会もまもなく65回目を迎える。

 
第1楽章 19'31"
第2楽章 15'53"
第3楽章   6'19"
第4楽章 12'10"
 合計   53'53"

 第1楽章はゆったりとしたテンポ、安定したリズムで、どっしりとした堂々たる演奏が展開される。
力強さ、大きさ、重量感が十分な演奏だ。
 第2楽章もゆったりしたテンポで、奇をてらわないオーソドックスな演奏だ。
テンポや音量の変化は抑制されていて、風格のある堂々とした演奏だ。
 第3楽章はバレエを得意としている指揮者らしくリズムが軽快でメリハリのある演奏だ。
管楽器群も伸びやかな演奏を展開している。
 第4楽章も落ち着いていて堂々たる演奏がベースにあり、その中にはつらつさや変幻さが散りばめられている。
良質な演奏だ。

 この指揮者はバレエの演奏を得意としているので、特徴あるリズムや劇的な表現を期待していたが、そうではなく、カール・ベームを思わせる巨匠風の堂々たる演奏だ。
オーケストラもアマチュアにありがちな力みや気負いはなく、西欧の名門オーケストラのような安定したまとまりのある演奏だ。
会場の音響効果が良いのか録音も優れている。

CD413,Isao Ehara,Nagoya Symphonia Orchestra,1998/02,Live Recording

Ehara1999

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指揮 アバド 録音 2013年

<CD 412>

指揮 クラウディオ・アバド
演奏 ルツェルン祝祭管弦楽団
録音 2013年8月 ライブ

クラウディオ・アバド 1933年~2014年
 イタリア ミラノ生、イタリア人の指揮者。
60年に指揮者としてデビュー、ミラノ スカラ座、ロンドン交響楽団、シカゴ交響楽団、ウイーン国立歌劇場の音楽監督などの後、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団の主席指揮者を務めた。

ルツェルン祝祭管弦楽団
 ルツェルン音楽祭のレジデントオーケストラであるが、ベルリンフィルの団員、一流ソリスト、一流弦楽四重奏団などのメンバーで構成される。
 
第1楽章 18'19"
第2楽章 17'33"
第3楽章   6'24"
第4楽章 12'31"
 合計   54'41"

 第1楽章はゆったりとしたテンポだが、リズムに躍動感がある。
音のレンジ幅は大きくなく、力感あふれる演奏ではないが、立体感がある。
中盤からは流麗さも加わる。
ゴツゴツ感がなく流麗さから、ベートーヴェンではなくメンデルスゾーンを聴いているようにさえ感じる。
 第2楽章もゆったりしたテンポで、流麗で美しい演奏だ。
中盤以降も強音は幾分セーブされていて、決して叩き付けるような音ではない。
音のレンジ幅は大きくないものの、曲の大きさや立体感、陰影がそがれることはない。
 第3楽章は軽快で流麗な演奏だが、後半は締まった演奏となる。
第4楽章も音のレンジ幅は抑え気味だが、テンポとリズムが素晴らしく、流麗さに弾力さが加わり、この楽章のもつ躍動感が十分に表現されている。

 アバドは力に頼らずに立派な演奏ができることを示している。
それにしても、この演奏が彼が亡くなるわずか5カ月前に行われたことが信じられない。

CD412,Claudio Abbado,Lucerne Festival Orchestra,2013/08,Live Recording

Abbado2013  

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指揮 山田 録音 1988年

<CD 411>

指揮 山田 一雄
演奏 日本フィルハーモニー交響楽団
録音 1988年2月 ライブ

山田 一雄 1912~1991

 東京生れ、始めはピアニストとしてスタートするが、1940年から指揮台に立つ。
日本交響楽団(NHK交響楽団の前身)、京都市交響楽団、新星日本交響楽団などの指揮者を勤める。
海外でも広く活動する。
日本の指揮者の草分けの一人であり、本邦初演の曲も多い。

日本フィルハーモニー交響楽団

 1956年に創立した楽団で、初代指揮者は渡辺暁雄。
その後、ラザレフ、小林研一郎、山田和樹、広上淳一、沼尻竜典などが指揮者となる。
設立当初から現在まで幅広いレパートリーを誇っている。

 
第1楽章 15'26"
第2楽章 17'29"
第3楽章   5'49"
第4楽章 12'10"
 合計   50'54"

 第1楽章は、安定した中庸なテンポで、陰影の濃いくっきりとした造形の演奏が展開される。
しかもとても熱い演奏である。
 第2楽章は一音一音に魂がこもっていて、とても厳かな演奏である。
中盤から後半にかけては深くかつ情熱的な演奏で、楽章を通して高い精神性をもつ演奏である。
 第3楽章は軽妙さと情熱の交錯した演奏である。
 第4楽章は強音と弱音の切り替えが見事で、この楽章も情熱的である。

 曲全体が高い精神性と情熱を備えた演奏で、指揮者の意図が出尽くした演奏である。
オーケストラも充実した演奏で指揮者の要求に応えている。
80年代の録音であるが、当時から高い能力をもつ指揮者と楽団であることがわかる。

CD411 Kazuo Yamada ,Japan Philharmonic Symphony Orchestra;Feb 1988; Live

Yamada1988

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指揮 アーベントロート 録音 1953年

 

諸事情により、しばらく更新をさぼっていましたが、再開します。

<CD 410>

指揮 ヘルマン・アーベントロート

演奏 ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団
録音 1953年9月 ライブ

 
ヘルマン アーベントロート
 
1883~1956
ドイツ フランクフルト生
 旧東ドイツで、重鎮として活躍した指揮者。
1905年から指揮活動を開始し、ケルンやボン、ライプチッヒで活躍した。
雄弁な表現をする指揮者とされている。

 
ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団
1901年に設立されたオーケストラ。
戦時中に多くの楽員を失うが1945年に再建された。
ショパン国際ピアノコンクールでオーケストラを務めることで知られている。
第2次大戦で演奏会場を焼かれ、楽団員の大半を失う痛手を受けた。
戦後、ロヴィッキが指揮者として24年間君臨し、オーケストラを復興させた。
その後コルトが22年間にわたりこのオーケストラをまとめ上げた。

第1楽章 14'03"
第2楽章 14'53"
第3楽章   5'25"
第4楽章 11'12"
 合計   46'33"

 第1楽章は、やや速いテンポで、リズムがはっきりしていて、きびきびとした楷書の演奏だ。
落ち着いた演奏だが、全体的に地味でやや渋い印象だ。
 第2楽章は出だしはやや控えめで、あえて過剰な演出を避け、情緒を抑制しているかのようだ。
 中盤以降は熱い演奏になって行くが、節度は保たれている。
テンポは変動がなく、とても安定している。
 第3楽章は軽快なテンポで、音にメリハリがあり、躍動感を感じる演奏だ。
 第4楽章は動と静の切り替えが見事で、キレのある雄弁な演奏である。

 
アーベントロートのエロイカは1954年のベルリン放送交響楽団のものを紹介済みであるが、それはとても雄弁な演奏であった。
本演奏は前半は抑制気味で、後半にボルテージが上がる後半型であるように感じた。
第3楽章、第4楽章は持ち前の雄弁な表現がなされている。
 ワルシャワフィルも緊密なアンサンブルで健闘しているが、やや音に厚みが足りないようだ。
ただし、これは当時の録音技術の問題なのかも知れない。


CD410 Harmann Abendroth,
Varsovia Philharmonic Orchestra;Sept 1953; Live

 

Abendroth1953

 

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指揮 ワールト 録音 2013年

 10日間の入院生活を終え、退院しましたので、このブログの更新ができるようになりました。
(I get well and left hospital.So,I 'll renew this BLOG.)

<CD 409>

指揮 エド・デ・ワールト
演奏 シカゴ交響楽団
録音 2013年1月 ライブ

エド・デ・ワールト  1941-
 オランダ人の指揮者
オーボエ奏者として活躍するが、その後指揮者に転向する。
バーンスタイン、ハイティンクに教えを受け頭角を表し、ベルリンフィル、コンセルトヘボウなど世界の一流楽団を指揮する。
また、二流とされた楽団の多くを一流に格上げしたことでも知られる。
管弦楽とオペラの両方に手腕を発揮し、特にワーグナーを得意とする。

シカゴ交響楽団
 1891年に設立されたアメリカの5大オーケストラの一つ。
歴代の指揮者は長続きしなかったが、フリツ・ライナーの就任後、オーケストラは立ち直り、多くの録音を残した。
その後、ゲオルグ・ショルティの時代に第2期黄金期を迎えた。
現在はリッカルド・ムーティが主席指揮者を務める。

第1楽章 17'41"
第2楽章 1'45"
第3楽章   5'52"
第4楽章 11'11"
 合計   49'29"

 第1楽章は、テンポもリズムも軽快で、小気味よい演奏だ。
音色はとても澄んでいて、気持ちよい。
テンポや音量の変化は少なく、安定していて自然な演奏だ。
中盤以降はそれに溌剌さが加わる。
 第2楽章は地に足がしっかりと着いた演奏で、情緒も十分で、大きさもある。
音の流れが自然ながらも有機的に組み合わされ、とても充実した形でまとめられている。
 第3楽章も安定していて高いレベルを維持した演奏だ。
 第4楽章は始めから溌剌としていて、しかも芯のある演奏で、さらに流動的でもある。
リズムもシャープなため、緊張感あふれる見事な演奏である。

 ワールトはこの名オーケストラを見事にまとめ、よく歌わせ、よく鳴らしている。
ハイレベルな演奏に到達していて、実力のある指揮者とオーケストラの組み合わせによる成果が出ている。

CD409 Edo De Waart,Chicago Symphony Orchestra;2013 Live

Waart2013

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指揮 ミンチュク 録音 2009

<CD 408>

指揮 ロベルト・ミンチュク
演奏 カルガリーフィルハーモニー管弦楽団
録音 2009年 ライブ

ロベルト・ミンチュク

 ブラジル生、ウクライナ系ブラジル人。
早熟のフレンチホルン奏者として10代で活躍。
クルト・マズアに認められ、ライプチッヒゲバントハウス管弦楽団に迎えられる。
ブラジルに帰国後、指揮法を学び、1998年にニューヨークフィルを指揮してデビュー。
2002年にニューヨークフィルの副指揮者に就任。
以後欧米の主要なオーケストラに指揮者として招かれる。
現在、カルガリーフィルハーモニーの音楽監督を務める。

カルガリーフィルハーモニー管弦楽団
 アルバータフィルハーモニーとカルガリー交響楽団が合併し、1955年に設立された。
クラシックだけではなくロックなど、ジャンルにとらわれず、年間80回の演奏会をこなす。

第1楽章 14'18"
第2楽章 13'32"
第3楽章   5'47"
第4楽章 11'33"
 合計   45'10"

 第1楽章は、快速なテンポ、歯切れの良いリズムのハイテンションな演奏で、とても勢いがある。
音量やテンポの変化は少なく、緊張感を維持した演奏が続く。
 第2楽章もテンポや音量に変化をつけず、力強く、骨太の演奏である。
柔らかさや情緒を排除した剛直な演奏に終始する。
 第3楽章も快適なテンポで、リズムが明瞭で、勢いのある演奏である。
 第4楽章もハイテンションの演奏が続く。
オーケストラもしっかりと指揮者に追従していて、速いテンポや高音量でも乱れず、最後まで緊張感を保った演奏に終始する。

 小細工を労さず、剛直で勢いのある演奏である。
男性的なエロイカと言える。
オーケストラもよく鳴っている。、

CD408 Robert Minczuk,Calgaly Philharmonic Orchestra;2009 Live

Minczuk

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指揮 シュタイン 録音 1985年

<CD 407>

指揮 ホルスト・シュタイン
演奏 NHK交響楽団
録音 1985年11月

ホルスト シュタイン 1928~2008年
ドイツ ヴァッパタール生

 フランクフルト、ケルンで音楽を学び、50年代半ばからドイツ、オーストリアで指揮活動を行う。
ハンブルグ国立歌劇場管弦楽団、ウイーン国立歌劇場管弦楽団、スイスロマンド管弦楽団の指揮者や音楽監督を勤める。
日本でもおなじみで、NHK交響楽団の名誉指揮者の地位にあった。
N響とは1973年から1998年まで25年間の長きにわたり共演した。
ドイツ音楽を得意とし、特にベートーヴェン、ワーグナー、ブルックナーの指揮には定評がある。

NHK交響楽団

 NHK交響楽団は1926年に設立された日本初のプロの楽団、新日本交響楽団がルーツである。
51年にNHK交響楽団の名称となった。
国内はもちろん、海外での演奏活動も盛んで、世界の一流指揮者との競演も多く、名実共に世界の一流楽団の仲間入りを果たしている。

第1楽章 18'45"
第2楽章 18'11"
第3楽章   6'08"
第4楽章 12'16"
 合計   55'20"

 第1楽章はゆったりとしたペースで、力みがなく、おっとりとした感じだが、伸び伸びとした演奏だ。
澄み切ったさわやかな印象である。
中盤以降は重厚さが加わり、緊張感が増してくる。
テンポはゆっくり目だが、テンポや音量の変化に自然なアクセントがあり、曲の流れが良く、緩慢な印象は全くない。
 第2楽章もゆったりとしたペースだが、大変まろやかな印象だ。
あまりの美しさにうっとりさせられ、ロマンチックな沼に引き込まれてしまう。
強音と弱音のメリハリが自然で、どちらも音が美しい。
音の拡がりも大きく、ゆったりとしたペースと相俟って、壮大なスケールに酔わされてしまう。
 第3楽章は強音弱音のメリハリがあって、勢いもある演奏だ。
ゆったりとしたペースで、しかも堂々としていて味わいのある演奏だ。
 第4楽章もゆるやかなペースだが、テンポや音の強弱に自然な変化をつけ、勢いと華々しさと静寂がめくるめく交錯する見事な演奏だ。

 シュタインはドイツ音楽を得意とするだけあって、重厚かつスケールの大きな演奏だが、細やかさもあり素晴らしい演奏だ。
N響は力みがなく、見事なアンサンブルで、シュタインの要求に柔軟かつ的確に対応している。
シュタインとの共演はこの時点で12年間であり、それも当然の結果だろう。
この演奏を聴くと、80年代にしてN響が一流の技術と感性を手中に入れていることがわかる。

CD407 Horst Stein,NHK Symphony Orchestra,Tokyo;1985

Stein85

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指揮 ピフィツナー 録音 1929年

<CD 406>

指揮 ハンス・ピフィツナー
演奏 ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
録音 1929年

ハンス・ピフィツナー 1869~1949年

 モスクワ生、ドイツ人の作曲家、指揮者。
モスクワで生まれ、幼いときにドイツに移住する。
フランクフルト、コブレンツで学ぶ。
ストラスブルグ歌劇場の音楽監督、ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団の主席指揮者などを勤める。
創作活動も旺盛で、ワルターが指揮をしたパレストリーナは評判を呼び、作曲家としても名声を得た。
晩年は家族との不和、戦争などにより不遇であった。

ベルリンフィルハーモニー管弦楽団

 ベルリンフィルハーモニー管弦楽団の設立は1882年で、設立当初はブラームスやドボルザークも指揮台に立った。
ハンス・フォン・ビューローが初代の常任指揮者となり、発展の基礎を築いた。その頃、リヒャルト・シュトラウスやマーラーも指揮台に立っていた。
その後、ニキシュ、フルトヴェングラーが常任指揮者となった。
戦後の混乱期にチェリビダッケが一時指揮棒を執ったが、やがてフルトヴェングラーが指揮者に復帰した。
1955年からはカラヤン、1989年からはクラウディオ・アバド、そして2002年からサイモン・ラトルが常任指揮者となっている。
ウィーンフィルハーモニー管弦楽団と並んで名実ともに現在最も著明な楽団である。

第1楽章 15'06"
第2楽章 14'54"
第3楽章   3'45"
第4楽章 12'19"
 合計   46'04"
 
 第1楽章は、テンポや音量を細かく変化させ、情感のこもった熱っぽい演奏を展開している。
ただし、もっと勢いと推進力があってもよいと感じた。
 第2楽章も効果的にテンポや音量を変化させ、情感あふれる演奏である。
中盤以降の盛り上がりも壮大である。
音量のレンジ幅を大きくとって、劇的な効果を出している。
 第3楽章もテンポの切り替えが巧みで、生気ある演奏である。
 第4楽章は前半はテンポと音量を抑制しているが、次第にテンポとボルテージが上がってきて、盛り上がりを見せる。
中盤以降の音の拡がりは見事である。

 ドイツ流の重厚壮大な演奏ではなく、情感あふれるロマンチックな演奏である。
80年以上も前の古い録音のため、ヒスノイズがあるが、それほど悪い音ではない。
電気的なリカバリーがなされているようである。

CD406 Hans Pfitzner,Berlin Philharmonic Orchestra;1929

Pfitzner

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指揮 フリート 録音 1927年

<CD 405>

指揮 オスカー・フリート
演奏 ベルリン国立歌劇場管弦楽団
録音 1924年

オスカー・フリート 1871~1941年

 ベルリン生、ドイツ人の指揮者、作曲家。
家庭が貧しかったため、様々な職業に就きながら、音楽の勉強を続ける。
 1901年に自作の作品がベルリンフィルの演奏会で取り上げられ、注目される。
1905年からベルリンフィルやベルリン国立歌劇場管弦楽団を指揮し、音楽家としてドイツ音楽界の頂点に立つ。
この頃マーラーの交響曲の全曲録音を達成するなど活躍する。
第2次大戦が始まるとナチスに追われトビリシに亡命後、しばらくして音楽活動を再開するが、やがて病気で波乱の人生を終える。

ベルリン国立歌劇場管弦楽団

 1742年に初回の演奏会をもったという記録をもつ250年以上の歴史をもつ楽団。
東西ドイツに分断されたときは東ドイツに属していた。
戦前はE・クライバーやフルトヴェングラーなどが指揮台に立ち、戦後はコンビチュニー、スィトナー、バレンボイムなどが音楽監督を務めた。

第1楽章 14'57
第2楽章 15'18"
第3楽章   4'00"
第4楽章 11'27"
 合計   45'42
 
 第1楽章は、気負いがなく、穏やかかつ軽快な演奏で、録音状態が良くないことにも起因しているであろうが、大変ノスタルジックな印象である。
この楽章全体を通して、よどみのない流れの良い演奏である。
 第2楽章も穏やかな演奏で、やはりノスタルジックでしみじみとした味わいがある。
中盤から終盤にかけても自然な演奏で、無理がない。
 第3楽章はとてもテンポが速い。
リズムも躍動感にあふれている。
中盤はゆったりしたテンポに変わるが、終盤はまた速いテンポとなる。
 第4楽章も気負いがなく、整然としていてオーソドックスな演奏だ。
ただし、テンポをうまく変化させ、決して単調と感じることはない。

 オスカー・フリートは長い下積みで苦労した後、突然ドイツ音楽界の寵児となって脚光を浴びる存在となったが、この演奏はそういう時期にもかかわらずおごりや気負い、華やかさはなく、実に堅実なものだ。
90年近く昔の録音なので、音が貧弱でノイズも多いのは致し方ない。
しかし、このような録音が残されているのはとてもありがたく、貴重な存在である。

CD405 Oscar Fried,Staats Kapelle Berlin;1924

Fried

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指揮 セル 録音 1963年

<CD 404>

指揮 ジョージ・セル
演奏 ニューヨークフィルハーモニー管弦楽団
録音 1963年7月 ライブ

ジョージ・セル 1897~1970年

 ハンガリー ブダペスト生
ヨーロッパ各地で活躍後、渡米中に第二次大戦が勃発したため、アメリカに留まる。
1946年にクリーブランド管弦楽団の指揮者となり、1970年まで指揮者を勤め、同楽団をアメリカの五大楽団に押し上げた。

ニューヨークフィルハーモニー管弦楽団

 ニューヨークフィルハーモニー管弦楽団は1842年に設立された楽団で、アメリカの5大オーケストラの1つである。
創世記にはマーラーも指揮台に立ち、23年からメンゲルベルグ、27年からはトスカニーニが指揮をした。
フルトヴェングラーも客演し、ストコフスキーも指揮をした。
さらにミトロプーロスの後、58年から69年までバーンスタインが音楽監督を長く務めた。
その後、ブーレーズ、メータ、マズア、マゼールが音楽監督となった。
この楽団はレパートリーが広く、柔軟性があってどの指揮者にも対応できること、また管楽器奏者に名手が多いことが特長である。

第1楽章 15'34
第2楽章 16'33"
第3楽章   5'42"
第4楽章 12'12"
 合計   50'05
 
 第1楽章はゆったりとしたテンポであるが、部分的にはテンポを細かく変化させている。
リズムが明瞭で、折り目正しい演奏である。
陰影が濃く刻まれ、曲の輪郭がはっきりとしている。
オーケストラの音色はとても重厚である。
 第2楽章もゆったりとしたテンポで、地底に響き渡るような底力を感じる演奏だ。
音の拡がりもあり、深くかつ奥行きのあるスケールの大きい演奏だ。
中盤から終盤にかけても芯の通った堅固な演奏だ。
 第3楽章は流動性があり、スマートな演奏だが、1本筋が通っている。
 第4楽章は骨太でしっかりとした演奏だ。
軽妙さ、ダイナミックさよりも力強さ、重厚さが勝る演奏だ。

 セルは構成力があり、自分の意志を堅固に反映させる指揮者である。
この演奏も造形のしっかりした演奏だ。
だが、セルも人の子、このライブ演奏では燃えていて、スタジオ録音よりも力のこもった演奏になっている。
オーケストラもセルに同調して燃えていて、細かいことは気にせず、重厚壮大な演奏を展開している。
ライブ録音はスタジオ録音とは異なる演奏になることがあり、面白い。

CD404 George Szell,New York Philharmonic Orchestra;1963/7,Live

Szell1963

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指揮 ヴァイル 録音 2012年

<CD 403>

指揮 ブルーノ・ヴァイル
演奏 ターフェル・ムジーク バロック管弦楽団
録音 2012年5月 ライブ

ブルーノ・ヴァイル
 1949年生、ドイツ人の指揮者

 ウィーンのハンス・スワロフスキーの元で指揮法学び、アウグスブルグ歌劇場、デュースブルグフィルハーモニー管弦楽団の指揮者となる。
レパートリーはピリオド奏法による古典音楽とオペラの指揮である。
ベルリンPO、ウィーンPO、フィルハーモニアOなどへの客演も多くこなす。

ターフェル・ムジークバロック管弦楽団
 1979年に設立され、カナダのトロントを本拠地とするオリジナル楽器を用いたバロックアンサンブルである。
北米でもこのようなスタイルの楽団はあるが、その中では最も有名な楽団である。
団員は19名であるが、曲目により団員の増減がある。
本CDは39人で演奏している。
年間50回以上の演奏活動を行っている。
なお、ブルーノ・ヴァイルはこの楽団の主席客演指揮者である。

第1楽章 16'59
第2楽章 14'16"
第3楽章   5'53"
第4楽章 11'00"
 合計   48'08

第1楽章は軽快なテンポと強弱をつけたメリハリのある演奏だ。
中盤から終盤にかけては壮大かつキレのある演奏である。
第2楽章は出だしは自然で比較的あっさりとしている。
それでも十分美しい。
オリジナル楽器とピリオド奏法のためか、素朴な響きと透明感が胸を打つ。
中盤からの盛り上げは巧みで、スケール感を出している。
終盤の弱音も美しい。
第3楽章は軽快さと烈しさのバランスが良い。
オリジナル楽器であろうホルンはくすんだ音色だ。
第4楽章は前半は透明で整然とした響きだ。
この整然さは中盤以降終盤まで継続する。
楽章を通してダイナミックな表現は抑制気味だが、最終盤は強く盛り上がり、壮大に終わる。
この楽章はダイナミックな表現よりもスタティックな構成に力点が置かれている。

 軽快なテンポとしっかりとした構成の演奏である。
小編成で、オリジナル楽器とピリオド奏法による演奏は恐らくベートーヴェンの時代の演奏スタイルなのだろう。
本演奏はこのオリジナル楽器によるピリオド奏法の魅力を随所で味わうことができる。

CD403 Bruno Weil,Tafel Musik Baroque Orchestra;2012/5

Weil2012

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指揮 ガッティ 録音 2004年

<CD 402>

指揮 ダニエレ・ガッティ
演奏 ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団
録音 2004年8月 ライブ

ダニエレ・ガッティ
 ミラノ生まれ、イタリア人の指揮者。
ピアノとヴァイオリンを学んだ後、27歳でミラノ・スカラ座で指揮者としてデビュー。
その後、ローマの聖チュチーリア歌劇場、ボローニア歌劇場の指揮者を勤め、1996年にロイヤルフィルハーモニー管弦楽団の指揮者、2008年にフランス国立管弦楽団の指揮者、2009年にチューリッヒ歌劇場の指揮者を勤める俊英である。

ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団
 ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団はトマス・ビーチャムによって1946年に設立された楽団で、イギリスでは名門オーケストラの一つである。
ビーチャムの後、ケンペ、ドラティ、ワルターヴェラー、プレヴィン、アシュケナージ、ガッティが指揮を執っている。

第1楽章 16'33"
第2楽章 15'10"
第3楽章   5'20"
第4楽章 11'24"
 合計   48'27"

第1楽章は快適なテンポで、リズムが揃っていて舞曲か行進曲のようなイメージで、スポーツカーに乗っているような軽快さである。
第2楽章はとても美しく歌わせており、アクセントも付けていて、さすがイタリア人と思わせ、デ・サーバタの指揮したエロイカと同様の感触である。
中盤から明るい調子に変わり、晴れやかな音色だ。
葬送行進曲という悲壮感はなく、伸びやかで優雅さを感じる。
この楽章は全体的にメロディアスである。
第3楽章は快速に飛ばし、美しさ、烈しさ、華やかさを取り混ぜた演奏である。
第4楽章は快速なテンポで勢いがあり、リズムに躍動感を感じる。
速度に変化をつけ、よく歌わせてもいる。

全体的に統一した印象はないが、各楽章毎に印象が異なり、従来の伝統的な演奏とは大いに異なるユニークな演奏と言える。
随所でよく歌わせているのはオペラが得意なイタリア人指揮者らしいと感じる。

CD402 Daniele Gatti,Royal Philharmonic Orchestra;2004/8

Gatti

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データ分析その32

 地域別の録音回数を調べた。
データはオーケストラによるもので、ピアノ独奏や室内楽アンサンブルは除く。
なお、ヨーロッパはドイツ、オーストリア、イギリス、フランスを除く全ヨーロッパである。
ドイツを始めヨーロッパ諸国が多いのは当然だが、アメリカや日本も多いことがわかる。

Photo_2

Photo

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データ分析その31

 データ分析29の英語版です。

I'll show the playing times per recorded year on the famous conductor.

Furte

Karayane

Klempe

Celie

Asahinae

Szelle 

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データ分析その30

 データ分析28の英語版です。

I'll show the average playing times and the standard deviation of the playing times of  the conductors recorded over four times.

Meanplayingtime_e

Stdv_e

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データ分析その29

 CDを聴いていて、指揮者によっては年齢が上がってくると演奏時間が長くなったり、短くなったりする傾向があるように感じた。
そこで録音回数の多い指揮者について、録音年と演奏時間の関係を分析してみた。
データから求めた近似曲線(直線)も追加した。
 フルトヴェングラーの場合は演奏時間は年齢に関係ないようだ。
カラヤンは年齢が上がるにつれて演奏時間は短くなっているようだ。
クレンペラー、チェリビダッケ、朝比奈は年齢が上がるにつれて演奏時間が長くなっている傾向がある。
セルは年代に関係なく演奏時間のバラツキが少ない。

Furutj

Karayanj

Klempj

Cheri

Asahinaj

Szell

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データ分析その28

 エロイカの録音回数が4回以上の指揮者のCDの演奏時間の平均値と標準偏差について分析した。
 演奏時間の平均値が小さいのは、ギーレン、モントゥー、ミュンシュ、シューリヒト、カラヤンの順となる。
長い方はジュリーニ、朝比奈、宇野、チェリビダッケ、クーベリックの順である。
 標準偏差は小さいほど演奏時間のバラツキが小さく、大きいと演奏時間のバラツキが大きいことになる。
 標準偏差が小さいのは、セル、ワルター、モントゥー、カラヤン、ギーレンで、平均値からのバラツキは約1分である。
 標準偏差が大きいのはジュリーニ、チェリビダッケ、クナッバーツブッシュ、朝比奈、アバドの順である。
平均値からのバラツキは3~5分ということになる。

Meanplaytimej

Stdv_j_3

 

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データ分析その27

 データ分析26の英語版です。

Playingtimee_l

Playingtimee_s_2

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